広告運用者の皆さん、毎日の運用改善お疲れ様です!
「CPAが高騰している」「キーワードを追加してもなかなかコンバージョンが伸びない」といった壁にぶつかっていませんか?
実は今、ユーザーの検索語句(クエリ)はかつてないほど複雑化しており、Googleの調査によると「5語以上」の長いクエリが昔の1.5倍に増加しています。
私たちが「このキーワードで検索するだろう」と予測して追加する従来の手法だけでは、多様化したニーズを捉えきれなくなっているというわけです。
この限界を突破する一つの武器になる可能性を秘めているのが、Google広告の「AI最大化設定(AI MAX)」です。
本記事では、5月14日に開催されたGoogle主催ウェビナーで提示された「AI最大化設定で成果を改善するための実践的なノウハウ」を、初心者の方にも分かりやすく凝縮してお伝えします。
AIを味方につけ、アカウントのパフォーマンスを次のステージへと引き上げる具体的なステップを一緒に確認していきましょう。
なぜAI最大化設定が必要?どう機能するの?
AI最大化設定とは、Googleの最新AI技術を結集し、検索広告のパフォーマンスを最大化させるための一連の機能群を指します。
「AIに任せると勝手に配信が広がって無駄打ちが増えそう…」と不安に思うかもしれません。
ですが、AI最大化設定は単に「網を広く投げる」機能ではありません。
最新の機械学習によってユーザーの検索意図を深く理解し、「網の精度を高める(見極める)」ことができるのが最大の強みです。
具体的には、以下の3つの主要機能が連動して働きます。
- 検索語句とのマッチング (インテントマッチ):
長くて複雑な検索クエリに対しても、ユーザーの「本当の意図」を正確に読み取り、適切な広告とマッチングさせます。 - テキストの最適化:
ユーザーの検索語句に合わせて、最もクリックされやすい関連性の高い広告文(アセット)をAIが自動で生成・選定します。 - 最終ページURLの拡張:
検索意図に最もマッチし、CVに繋がりやすいランディングページ(LP)をウェブサイト内から自動で判断して誘導します。
ウェビナーで共有されたデータによると、これら3つの機能をすべて組み合わせて使用することで、意図深いマッチングができ、CV数や売上が大きく増加(事例によってはコンバージョン数が最大27%増)する事例が紹介されていました。
AIの力を引き出す4つの推奨設定
ここからはメインとなる実践編です。
まず前提として、GoogleとしてはAIは魔法の杖ではなく、正しく機能するための「土壌」である、ということを強調していました。
それではウェビナーで強く推奨されていた4つの設定を確認しましょう。
1. 予算による制限を避ける
AIが「このユーザーはCVしそうだ!」と見つけた時に、予算切れで広告が出せないのは非常にもったいないですよね。
AIが獲得機会を見逃さないよう、日予算には十分な余裕を持たせることが重要だと語られていました。
キーワードベースの総費用に対し、+20%程度を確保することを推奨していました。
2. 十分なコンバージョンデータを確保する(過去30日で30CV)
30CVに届かない
AIが賢くなる
AIが賢くなるためには「お手本(データ)」が必要です。
これまでの自動入札適用の広告運用している方であればわかると思いますが、AI MAXでも引き続き、広告グループを細かく分けすぎず、訴求ごとにシンプルにまとめましょう。
そして「広告グループごとに過去30日間で最低30CV」を獲得できるようなアカウント構造にしておくことが、AIの学習効果を最大限に引き出すために望ましいとのことでした。
3. ビジネスインパクトのある「深いCV」を設定
最終目的が『売上や成約の最大化』であるならば、AIの目標はできるだけビジネスの最終ゴールに近い(深い)地点に設定しましょう。
Googleも「AI MAXは拡張力が強力なため、最適化のゴールを最終目的にしっかり繋ぐことが重要」と強調しています。CV数を稼ごうと『無料資料DL』や『LINE友だち追加』といった浅い地点を目標にすると、AIは「買う気のない人」まで大量に集めてしまいます。
なので『資料請求』ではなく『商談化』、『カート追加』ではなく『購入完了』のように、ビジネスに直結する「深いCV」を設定するのが成功の鍵です。
4. コントロール機能を活用して手綱を握る
先述したAIの3大機能(マッチング、テキストカスタマイズ、URL拡張)をオンにした上で、意図しない挙動を防ぐための「3つのコントロール機能」は必ず併用するようにしましょう。
そうすれば、運用の主導権を維持したままAIの恩恵を受けやすくなります。
具体的には以下のような機能になります。
- ターゲティングコントロール: 除外キーワードリストや地域設定で、不要な配信を防ぎます。
- ブランドコントロール: 自社のブランド名関連のクエリへの配信を安全に管理します。
- クリエイティブコントロール: 配信したくないURLの除外や、「テキストのガイドライン」を使って自動生成される広告文のトーン&マナーを指定・除外できます。
【実践】AI MAXのPDCAの回し方
AI最大化設定を導入したら、正しい方法で評価(PDCA)を行うことが成果改善の肝です。
集中させればラインを越え、AIが最適化を始める。
① 検証は「前後比較」で行う
GoogleはAI AMXの検証方法として一般的なABテストではなく、既存キャンペーンへの導入前・導入後での「前後比較」を推奨していました。
ABテスト用にキャンペーンを分割すると、AIの学習に必要なCVデータが分散してしまうためですね。
また、AIの学習期間にはタイムラグがあるため、導入して数日で「効果がない」と判断せず、期間をあけて評価しましょう。
② 「点」ではなく「面(キャンペーン全体)」で評価する!
これが初心者が最も陥りやすい罠です。
AIが新しく拡張した検索語句は、既存の指名キーワードなどに比べてCPAが高くなるのが自然です(新しい市場へ挑戦している証拠ですね)。
ここで「AI拡張分のCPAが高いから止めよう」と部分的な「点」で評価してしまうと、せっかくのCV増加のチャンスを逃してしまいかねません。
「キャンペーン全体の平均CPAやROASが許容範囲にあり、かつコンバージョン総数が純増しているか」という全体的な視点で判断することが成功の秘訣であると、ウェビナーでも力説されていました。
③ レポートを確認して微調整
実は、AI MAXは決してブラックボックスではありません。
「検索語句レポート」「アセットレポート」「ランディングページレポート」といったレポートが用意されています。
検索語句
アセット
ランディングページ
これらを定期的に確認し、明らかに無関係な語句があれば除外設定を行うなど、AIの挙動を軌道修正することができます。
セミナーQ&A:運用者のリアルな悩みを解決!
Q&Aセッションでは、現場の運用者が抱える切実な悩みに対し、Googleのプロダクトマネージャーから直接回答がありました。特に重要なポイントを抜粋して共有します。
Q. ターゲティングが広がると、意図しないページへ誘導されたり、変な広告文が出ないか心配(ブランドセーフティの懸念)
A. 大丈夫です。設定したキーワードやアセット、LPの情報を元に、関連性の高いものが選定される仕組みです。
意図しないLPへの
誘導をブロック
不適切な広告文の
生成をブロック
さらに前述の「ブランドコントロール」や「テキストのガイドライン」機能を活用することで、特定のフレーズを除外したり、ブランド要件を満たすよう強力に保護・管理することができます。
Q. 完全一致のキーワードをすでに入れています。アカウント内でAI最大化とキーワードが競合しませんか?
A. アカウント内で競合はしません。完全一致はビジネスのど真ん中を狙うために重要です。
(顕在的・
シンプル)
AI最大化設定と併用することで、シグナルや学習の組み合わせが異なり、アカウント全体のCV総数が純増することが確認されているため、Googleとしても併用を推奨しています。
Q. インプレッション(表示回数)がなかなか増えません…。
A. いくつか要因が考えられます。
日予算が不足していないか確認し、必要なら予算を追加しましょう。
また、除外キーワードを過剰に設定しすぎているとAIの学習を妨げてしまいます。
検索語句レポートを確認し、明らかに無関係なもの以外は除外を解除して学習を促進させてみてください。
まとめ|AIを味方につけよう
Google広告のAI最大化設定(AI MAX)は、複雑化する検索市場において、人間の手ではもう捉えきれないユーザーの潜在的なニーズを発見してくれる強力なパートナーです。
新しい機能を導入するのは少し勇気がいるかもしれません。
今回ご紹介した「4つの推奨設定」でAIが機能する土壌を整え、「コントロール機能」で手綱を握り、「面での評価」を徹底すれば、成果改善の可能性が高まるはずです。
まずは焦らず、ご自身のアカウントが推奨設定を満たしているか、シンプルな構造になっているかを見直すところから始めてみましょう。
AIを正しく使いこなし、変化する環境を味方につけることで、運用者としてのスキルをさらに高めていきましょう!

