「LINE広告の効果ってどうなの?」
「LINE広告は初めてで、何から始めたらいいか全然分からない…」
広告代理店に入社したばかりのあなたや、初めてWebマーケティングを担当することになったあなたは、今、そんな期待と不安を抱えているかもしれません。
ですがご安心ください。
この記事を読めば、そんなあなたの悩みはすべて解決します。
この記事では日本のコミュニケーションインフラとも言えるLINEに出稿できる「LINE広告」について、基礎知識から、気になる費用、成果を出すためのターゲティング設定、そして具体的な始め方まで、誰にでも分かるように網羅的に解説しています。
さらに、この記事は単なる知識のまとめではありません。
私たちが実際の広告運用で得た、リアルなデータや経験談も交えながら、プロの視点で「本当に成果につながるポイント」を徹底的にお伝えします。
この記事を読み終える頃にはあなたはLINE広告の全体像を理解し、自信を持って最初の一歩を踏み出せるようになっているはずです。
LINE広告の基礎・強みを知る
まずは「LINE広告とは何か?」という基本から見ていきましょう。
一言でいうと、LINE広告は月間9,900万人以上(2025年6月時点※1)が利用するコミュニケーションアプリ「LINE」とその関連サービスに広告を配信できるプラットフォームのことです。
広告を届ける
※1(出典:LINEヤフー公式)
もはや単なるメッセージアプリではなく、人々の生活に深く根付いた「社会インフラ」であるLINE。
そこに広告を出せることの価値は計り知れません。
LINE広告が多くのマーケターから支持される理由は、主に以下の4つの強みに集約されます。
強み1:圧倒的なリーチ力
日本の人口の約70%以上をカバーするユーザー数は、他のSNSを圧倒しています。
さらに重要なのは、他のSNS(Facebook, X, Instagramなど)を利用していない「LINEだけのユーザー」が4割以上も存在するという事実です。つまり、他の媒体だけでは決してアプローチできない層に、LINE広告ならリーチできるのです。
強み2:高精度なターゲティング
LINEはユーザーの年齢・性別・地域といったデモグラフィック情報に加え、スタンプの購入履歴やLINE NEWSの閲覧傾向など、膨大な行動データを保有しています。
これらのデータを活用することで、「都内在住の30代女性で、美容に興味がある人」といったように、狙ったターゲットにピンポイントで広告を届けることが可能です。
強み3:幅広いユーザー層
特定の若者世代にユーザーが偏りがちなSNSもありますが、LINEは10代から60代以上まで、あらゆる世代に満遍なく利用されています。
これにより、ほぼ全てのBtoCビジネスで、自社のターゲット層を見つけ出すことができます。
強み4. あらゆるマーケティングファネルに対応する多様性
LINE広告は、単に商品を知ってもらう「認知」だけでなく、サイトへのアクセスを促す「見込み顧客獲得」、そして商品購入や問い合わせといった「コンバージョン獲得」まで、マーケティングのあらゆる目的に対応できる柔軟性を持っています。
これは、目的別に配信を最適化してくれるAIや、ユーザーの検討段階に合わせた豊富なターゲティング機能、さらに広告から直接「友だち」を獲得して顧客育成ができるLINE公式アカウントとの強力な連携があるためです。
費用はいくら?予算と課金方式の仕組み
「でも、お高いんでしょう?」広告出稿で最も気になるのが費用ですよね。
ご安心ください。
LINE広告にはテレビCMのような「最低出稿金額」という概念が存在しません。
費用はどう決まる?
LINE広告の費用は、広告を表示したい企業同士の「オークション(入札)」によってリアルタイムに決まります。
そのため、1日1,000円、月額3万円といった少額からでもスタートすることが可能です。
まずは小さな予算でテストし、効果を見ながら柔軟に予算を調整していくという運用ができます。
3つの主要な課金方式
広告費が発生するタイミングは、主に3つの方式から選べます。
- クリック課金(CPC – Cost Per Click)
広告がクリックされるたびに費用が発生します。Webサイトへのアクセスを増やしたい場合に最適です。 - インプレッション課金(CPM – Cost Per Mille)
広告が1,000回表示されるたびに費用が発生します。ブランドの認知度を上げたい場合に向いています。 - 友だち追加課金(CPF – Cost Per Friend)
広告経経でLINE公式アカウントの「友だち」が追加されるたびに費用が発生します。未来の顧客リストを直接獲得できる、LINEならではの強力な課金方式です。
実際の費用感とCPA高騰のリアル
理論上は少額から始められますが、実際の運用現場では様々な要因で広告単価が変動します。
例えば、私たちが運用をご支援したBtoC向けの金融サービス会社様では、ある年の3月にCPA(顧客獲得単価)が通常期より高くなる傾向が見られました。
これは、3月が多くの企業にとって年度末・決算期にあたるため、広告出稿が増加し、オークションの競争が激化(入札が激化)したことが主な原因と推測されます。
結果として、広告のクリック単価(CPC)が高騰し、CPAにも影響が出ました。
このように、市場全体の動向によって広告効果は変動します。
だからこそただ広告を出すだけでなく、市況を読みながら予算配分や入札戦略を柔軟に調整していく運用スキルが重要になるのです。
広告はどこに出るの?
LINE広告はLINEアプリ内の様々な場所に表示されます。
ユーザーの日常に自然に溶け込む多彩な配信面があるのも、LINE広告の魅力の一つです。
- トークリスト
LINEで最も表示されるトーク一覧画面の最上部。非常に視認性が高い一等地です。 - LINE VOOM
ショート動画が楽しめるプラットフォーム。動画コンテンツの合間に自然な形で広告が表示されます。 - LINE NEWS
数千万人が利用するニュースポータル。情報感度の高いユーザーにリーチできます。 - ウォレット
LINE Payなどを利用する画面。購買意欲の高いユーザーにアプローチできます。 - その他
LINEマンガ、LINE BLOG、LINEポイントなど、多様なサービス内に配信枠があります。
さらに、「LINE広告ネットワーク」を通じて、クックパッドやグノシーといった10,000以上の外部の有名アプリにも広告を配信することが可能です。
初心者の方は、配信面を個別に選ぶ必要はありません。
LINEのシステムが自動で最も効果的な場所に配信してくれる「自動配置」という設定が用意されているので、まずはこれを活用するのがおすすめです。
誰に届ける?成果を最大化するターゲティング術
LINE広告の心臓部とも言えるのが、この「ターゲティング」機能です。
誰に広告を見せるかを正しく設定することが広告費の無駄撃ちを防ぎ、成果を最大化する鍵となります。
基本のターゲティング
まずは基本となる項目です。
- デモグラフィック: 年齢、性別
- 地域: 都道府県や市区町村単位で指定可能
- OS: iOSかAndroidか
詳細ターゲティング
LINEが持つデータを活用し、さらにユーザーを絞り込みます。
- 興味・関心: 「ファッション」「旅行」「ゲーム」などに関心のあるユーザー
- 行動: 「テレビをよく見る」「最近引っ越した」などの行動履歴を持つユーザー
- 属性: 「既婚/未婚」「子供の有無」など
オーディエンス配信
自社の顧客データを活用することで、さらに精度の高いターゲゲティングが可能です。
- ウェブサイトトラフィックオーディエンス: 一度自社サイトを訪れたユーザー(リターゲティング)
- 類似配信: 優良顧客と似た行動をとる、新しいユーザーを見つけて配信
年齢層で効果は変わる!リアルなデータ公開
ターゲティング設定は商材やサービスによって「正解」が変わります。
ここでも某金融サービス会社様の事例を見てみましょう。
私たちリドルセンスとしては、このデータから以下のような非常に興味深い傾向が読み取れましたので参考までに公開します。
- CTR(クリック率)
50代以上の高齢層の方が高い傾向にあります。これは、若年層ほど広告に対するリテラシーが高く、無意識に広告を避ける傾向があるためと推測しました。 - CVR(コンバージョン率)
一方で、コンバージョン(サービス申し込み完了)に至る割合は、20代〜40代の若年層・中年層の方が高い結果となりました。特に、話題性の高い新しいサービスに対しては20代の反応が良く、「割引系」などの実利的なメリットには30代の反応が良いなど、訴求内容によっても最適な年齢層は変化することが示唆されました。
このように、実際のデータを分析することで、「どの世代に、どんなメッセージを伝えるべきか」という戦略が見えてきます。
ただやみくもに全年齢に配信するのではなく、データに基づいてターゲットを絞り込むことが、成果への近道です。
効果が変わる!クリックされるクリエイティブとは?
どんなに優れたターゲティングをしても、ユーザーの目に留まる広告クリエイティブ(画像や動画)がなければ意味がありません。
LINE広告で成果を出すためのクリエイティブには、いくつかの「鉄則」があります。
LINE広告クリエイティブの基本原則
- モバイルファースト: PCではなく、スマートフォンの小さな画面で見られることを常に意識しましょう。文字は大きく、デザインはシンプルに。
- 1ビジュアル・1メッセージ: 多くの情報を詰め込まず、伝えたいことは1つに絞るのが鉄則です。
- UGC(一般ユーザー投稿)風を意識: プロが作り込んだ綺麗な広告よりも、一般の人がスマホで撮って投稿したような、自然な雰囲気のクリエイティブの方が、タイムラインに馴染み、クリックされやすい傾向があります。
A/Bテストで分かった「勝てる見出し」の法則
クリエイティブの中でも特に重要なのが「見出し」です。
私たちは某金融サービス会社様のクイズキャンペーンでバナーは同じものを使い、見出しだけを2パターンに変えてA/Bテストを実施したことがありました。
その結果、
- 見出しA(メリット訴求型): 「クイズに答えて特典プレゼント!」
- 見出しB(サービス名訴求型): 「【サービス名】のお得なキャンペーン」
この2つを比較したところ、具体的な金額や特典といった具体的なメリットを提示していた「見出しA」の方が、CPAを抑えつつ高い成果を上げられることが分かりました。
このように、小さな見出し一つを変えるだけで広告効果は大きく変わります。
常に複数のパターンをテストし、データに基づいて改善を繰り返していくことが非常に重要です。
ゼロから始める!LINE広告の出稿手順
さあ、いよいよ実践です。
初めてLINE広告を出稿するための手順を、ステップバイステップで解説します。
事前準備
まず、以下の2つが必要です。
- LINE公式アカウント: 広告アカウントを作成する前提として必要になります。
- クレジットカード: 広告費の支払いに登録します。
LINE広告を始めるときの5つのポイント
全ての広告活動を管理・統括する司令塔。ここから全てが始まります。
広告効果を正確に計測するための重要な設定
広告配信の「目的」や「予算」を定める最上位の階層。
広告を「誰に」「どこに」届けるかを設定する中間階層。
ユーザーが最終的に目にする画像や動画、テキスト。
- 広告アカウントの作成
LINE Business IDを取得し、公式サイトから広告アカウントを作成します。 - LINE Tagの設置
広告の効果を正しく計測するために、自社のWebサイトに「LINE Tag」というコードを設置します。これは非常に重要な設定です。 - キャンペーンの作成
管理画面で、広告の「目的」(Webサイトへのアクセス、コンバージョンなど)や予算を設定します。ここで設定した目的に合わせてLINEのAIが配信を最適化してくれるため、目的設定は最も重要です。 - 広告グループの作成
キャンペーンの下に、具体的な「ターゲティング」や「配信面」を設定する広告グループを作成します。 - 広告の作成と入稿
最後に、ユーザーが実際に目にするクリエイティブ(画像・動画)と広告文を入稿し、審査に提出します。
つまずかない!LINE広告の審査ガイドライン
LINE広告は、ユーザーの安全性を守るため、他の広告媒体に比べて審査が厳しいことで知られています。
事前にポイントを押さえて、スムーズに審査を通過しましょう。
- 審査にかかる時間
広告アカウントの開設に約5〜10営業日、クリエイティブの審査に約3〜5営業日かかります。スケジュールには余裕を持ちましょう。 - 出稿できない業種
宗教、ギャンブル、アダルト、情報商材などは原則出稿できません。 - 否認されやすい表現
- 「業界No.1」「世界初」 といった根拠のない最大級表現。
- 「必ず痩せる」「絶対治る」 といった効果を保証する表現。
- ユーザーのコンプレックスを過剰に煽るような表現。
- 「友だち」の誤表記(「友達」「お友達」はNG。公式の「友だち」を使いましょう)。
審査は広告クリエイティブだけでなく、リンク先のWebページ(LP)の内容も対象となる点も忘れないでおきましょう!
LINE広告活用事例
最後に、私たちがご支援した某金融サービス会社様の事例を通じてLINE広告がいかにビジネスの成果に貢献できるかをご紹介します。
情報解禁タイミングを捉えたCVR最大化
ある金融サービス会社様は、ユーザーにとって非常に魅力的な新サービスを発表しました。私たちはこの情報解禁のタイミングを逃しませんでした。
上のグラフをご覧ください。新サービスのプレスリリースと同時に広告配信を強化したところ、CVR(コンバージョン率)が劇的に向上し、ピークを記録しました。
ユーザーの関心が最も高まるタイミングで的確にアプローチすることで、獲得効率を最大化できたのです。
この経験から言えるのは、LINE広告はただ配信するだけでなく、世の中のトレンドや自社のマーケティング戦略と連動させ、”仕掛けるタイミング”を戦略的に設計することで、その効果を何倍にも高められるということです。
LINE広告の「間接効果」という価値
ここで広告効果の測り方について、もう一歩踏み込んでみましょう。
私たちの経験上、例えば金融サービスのようなユーザーがすぐに申し込むのではなく、情報を集めて比較検討する期間が長い商材では、興味深い現象が見られます。
それは、LINE広告の管理画面上ではコンバージョン(CV)がしっかり計測されている一方で、Google Analytics(GA4)などで「ユーザーがCVする直前に接触した広告(ラストクリック)」の成果を見ると、LINE広告経由のCVがそこまで多くない、というケースです。
これは、LINE広告が失敗しているという意味ではありません。
上記例では最終的な成果(ラストクリック)は「Google検索」に記録されても、ユーザーがサービスを知る最初のきっかけは「LINE広告」。このように隠れた貢献(アシストコンバージョン)を正しく評価することが、広告運用の鍵です。
むしろ、ユーザーの購買行動における「重要な最初のきっかけ」や「検討段階での後押し」として機能している可能性を示唆しています。
例えば、ユーザーは最初にLINE広告でサービスを知り、興味を持つ(認知)。
その後、数日かけて他のサービスと比較検討し、最終的にGoogle検索で社名を検索して公式サイトから申し込む(CV)。
この場合、ラストクリックの成果は「Google検索」に付きますが、そもそもユーザーがサービスを知るきっかけを作ったのは、間違いなく「LINE広告」です。
このように、最終的なCVに至るまでに見えない貢献を「アシストコンバージョン(間接効果)」と呼びます。
そのため、LINE広告の真の価値を測る際は、管理画面上の直接的なCV数だけでなく、GA4のアトリビューション分析などを活用し、こうしたアシストコンバージョンも含めた多角的な視点で評価することが非常に重要です。
まとめ:LINE広告で次の一歩を踏み出そう
本ガイドを通じて、LINE広告がいかに強力で、日本のマーケティングにおいて必須のツールであるかをご理解いただけたかと思います。
最後に、Web広告初心者のあなたが成功するための重要なポイントをもう一度おさらいします。
- 小さく始める
最初から大きな予算は不要です。まずは月数万円のテストから始めてみましょう。 - データを見る
勘に頼らず、実際のデータに基づいてターゲティングやクリエイティブを改善しましょう。 - ユーザー目線を持つ
ユーザーにとって価値のある、邪魔にならない広告を心がけましょう。 - テストを繰り返す
「これだ!」という正解はありません。常にテストし、改善し続ける姿勢が最も重要です。
LINE広告をマスターする旅は、今日踏み出すこの小さな一歩から始まります。もし、運用に迷ったり、もっと成果を加速させたいと感じたりした時は、いつでも私たちリドルセンスにご相談ください。豊富な運用経験とデータに基づき、あなたのビジネスの成功を全力でサポートします。